(表表紙デザインはこんな感じです)
好きか嫌いか、と聞かれたらそりゃ好きだ。まぁ、ものすごく。
「お前今…喋ったか?」
「ううん。何も言ってないけど?」
だよな。そうだ。
・・・でも、声聞こえたぞ?
>>びーだま ころり。
・タイトルは現在の御影の精一杯のかわいいを目指した結果です。
・スベってやがるぜ!というツッコミは心の中でお願い致したく申し上げます。
・DS片想い→両想いのP36の中編です
・ディーンの一人称。
・事件モノではありません。人が死にません!銃も塩もEMFもありません!ウッソ新鮮!笑
・ひたすらカワイイを目指したのですが、女子力の欠如により、可愛さを極める事が出来ていない気もします
・どなたか私に女子力を恵んでください。
・以下本編からの抜粋。総Pが少ないので、当たり障りの無い箇所をちょろっとだけ。
【前半部分から抜粋】
「ディーン、まだ飲む?」
サムが空になった瓶を振りながら俺の手元を覗き込む。その視線につられて手元を見るとショットグラスの中は疾うに空になっていた。
「あーそうだな。もう少し飲むか」
少し酔った。という自覚はあった。けれど気分としてはまだ飲み足りない。ここらで度数の弱いものに変えておいた方がいいだろう。サムにお前と同じ物を、と身振りで示す。サムは外で飲むときは泥酔しないように度数の高いものを飲まないと知っているからだ。
カウンターの方へ歩いていくサムの後姿を片肘をつきながらじっと見つめてみる。もちろん酔ってる自覚はある。
サムはガタイのいいマスターに声をかけて、壁に貼られたメニュー表の中からビールを幾つか選びながら、胃に収めるための他のメニューも眺めている。悪酔いしないための配慮なのだろう。
「……」
なんとなく手持ち無沙汰で、肘をついていない方の手で箱の蓋をガタガタ開け閉めしてみる。もちろん視線は外さない。
見目はいい、んだろう。見目は。性格は強情に輪をかけた強情で毎日一度は腹を立てている。サムじゃない。俺が。なら僕は一日三回だ、と脳内のサムが苦情を申し立ててきて押さえ込んだ。ちょっと黙ってろ。
背は高い。ちょっと高すぎる程だ。もう少し減らせ。
少し伸びた髪は湿気が多い場所に行くと落ち着きを無くすんだと、何かの折りにブツブツ文句を言っていた。お前は女か。
服の下に隠された筋肉はハンターの道を本格的に進むと決めたときからトレーニングに励んだらしい。頭をやたら使うのが好きな癖に肉体改造とか、どこまでチートになっていくつもりだよ、と妙なアンバランスにくつくつとこみ上がる笑いが漏れた。
そして自然に視線は、すす、と腰に降りる。そして尻のラインに。
「あー、くそ」
最近のオカズがそんな背が高くて、筋肉もついてて、加えて一日に一度は腹を立てる生意気な弟だと誰が言えるというのか。いや、言えまい。知られたらリアルに死を選ぶ。選びたい。
「もーマジで。ほんとマジで。マジで頼むよ」
何がマジなんだよ最近の若者言葉はどっかおかしいだろ、と思いながらも独り言は止まらない。マジで。マジで頼む。
そんな事を考えた時だ。
ゲェップ。
そんな音が、聞こえた。
「………?」
ゲップ、ってあれか。ゲップか。あのげっぷか。誰だよこんな特大のげっぷをかました奴は。恥ずかしい奴だな。
一度そんな恥ずかしい奴を見てやろうと周囲を見回す。が、サムはカウンターの方にいるし、周囲の人間たちは馬鹿笑いをしていたりで、とてもげっぷをぶちかました奴がいるような気配はない。
しかも音は手元から聞こえた気がする。どういうことだ。
視線を手元の机の上に落としてみる。ついでにガコンガコン言わせていた箱も机に置く。と、その箱の角に何かが当たってキラリと光を弾いた。
「なんだこれ」
箱に弾かれてコロコロと転がるそれを手に取ってみる。
ガラス玉だ。直径二センチにも満たないガラス玉。
でもどこからそんなものが姿を現したというのだ。こんなもの、さっきまで机の上には無かった。
***冒頭部分より抜粋***